昨日は5月3日、憲法記念日でございます。
実はワタクシ、憲法の前文が大好きでございまして、中学生のときに覚えて以来、いまだにソラで言えたりします(笑)
何がいいって自分の中では非の打ち所が見つからない(笑)。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」
まず冒頭のこの宣言。
いいですね。
特に「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」。
そもそも憲法とは国家権力というものに対する「抑止」、国家の恣意的な行動にたいする枷、ということがその本来の大きな目的のひとつです。
その目的を十分に意識した素晴らしい前文かと思うわけです。
また前文の全般にわたって、決意がみなぎっているいい文章だと本当に思います。
ここで自民党改正案前文(2005年発表)を見て見ましょう。
「日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。
象徴天皇制は、これを維持する。また、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、不変の価値として継承する。
日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。
日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。」
流し読みしていると「ふーん」で終わってしまいそうですが、あまり好きになれないのです。
自分が保守的なのか、変化を好まないだけなのか。
「日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。」
要するに「愛国心」を持ちなさい、と憲法で謳っているわけです。
「国や社会を愛情と責任感と気概を持って・・・」
なんじゃそれは?
と思うのは非国民でしょうか。
別に何が何でも憲法改正を闇雲に反対。。というわけではないんですが、
今のところ自民党の一党政治が続いている中、自民党が法案を通そうと思えば強行採決でもなんでも出来る状況の中、憲法だけはそう簡単には改正できない。
それはとても大事な意味を持つことだと思います。
そのことをよく考えたいと思うわけです。
改憲潮流という流れの中、5月3日憲法記念日にはそういうことも考えながら、安倍さんの憲法改正を冷静な目で見ていきたいものです。
ヒトラーは決して突然・非合法的に出てきたわけではないのです。
「合法的」に大統領選に出馬し、「国民投票」によって多くの人に支持されて、大統領には選出されなかったもののナチ党が国会の第一党になった。つまり国民が支持したわけです。
その後どうなったか。
自分の一票にはこの後に続く歴史への責任がある、ということを思い出しながら、
雰囲気で「よさそうじゃん」とかで投票するのではなく、中身をきちんと見た上で投票したいものです。
「自民党案と現行憲法との比較」