2009年12月 9日

筑紫哲也さん

私が尊敬するジャーナリストに筑紫哲也さんがいます。
先日ふと本屋に立ち寄ると、この2冊が店頭に並べてありました。
 
筑紫哲也 (週刊朝日MOOK)
筑紫哲也 (週刊朝日MOOK)
 
若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書 515B)
若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書)
 
「ああ、もう一年経ったのか・・・」と改めて、時の早さを感じます。
思わず両方買ってしまいました。
 
週刊朝日MOOK「筑紫哲也」は、いろんな方が筑紫さんの回想を書いています。
彼の著書やTVでは見えない横顔が見えて面白い。
特に興味深かったのは奥さんの話、副総理・菅さんの話、息子さんの話。
都知事に立候補が囁かれていたときの菅さんとのやり取りなんかは、
「へー、そんなことがあったのかぁ。」と面白かったです。
 
「若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ」の方は、
筑紫さんは早稲田大学と立命館大学の大学院向けの講座を2003年から持っていたのですが、これはその講義録です。
この本は私にとって全編ものすごく共感を覚えることや、勉強になることばかりなのですが、中でも
「大学へ何をしに来るかといえば、疑うことを学びにくるんです」
という一文にひかれました。
正しいと思われていることに対して、本当にそうなのか、と疑う。
それはとても大切なことのように思います。
多数の人が正といっているそのことを疑うことは勇気のいることです。
ましてそれを声に出して言うのはとても難しい。
それを行ってきたのが筑紫さんだったと思います。
彼は、少数派を大切にしてきました。
やみくもに多数派に反対していたのではなく、
絶対的に正しいとされていることに反論を唱えることが許されない「空気」に危機感を持っていたからだと思います。
だからこその多事争論。
あらためて筑紫さんの亡くなったことに対する損失の大きさを感じました。
 
この本のあとがきに代えて、筑紫さんが16歳の時に書かれた文章が掲載されています。
とても高校生の書いた文とは思えない(笑)。

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